まほろの声を探して~声をめぐる浜田真実の思いのたけ~

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マミィズボイス

マミィズボイス

私が主宰しているレッスンクラスの名前を「マミィズボイススタイル」は、
私の名前(マミ)+(声)で「Mami’s Voice」と、お母さんの声
Mammy’s Voice」を合わせて命名した。

その造語に、表現方法とか在り方という意味の「Style」という言葉を付け
加えたのだが、この頃、この名前の持つ意味の重さが、ヒシヒシと感じられるように
なってきた。

お前、もういらない!出て行け!ホラ、早く出て行けよ!
と、甲高い女性の怒鳴り声が、突き刺すように聴こる。
小学校4~5年生くらいの男の子が玄関から放り出され、中から鍵がかけられ、男の子
は泣きながら「開けて~、開けてください」と玄関チャイムを押し続けている。
偶然、その家の前を通りがかった私は、驚いて足がすくんでしまった。
何か声をかけようかと躊躇していたら、しばらくして玄関が開き、母親らしき人の手
が見えた。
次の瞬間、男の子の頭、そして頬を思い切り殴打。
男の子は身体を硬くしたまま、家の中へ引きずり込まれてしまった。

また別の日には、スーパーで買い物をしている私の背中に、乾いた声が刺さった。
だからテメェはダメなんだよ!サッサと行けよ!グズ!
振り返ると、小学校低学年くらいの男の子を小突きながら、お母さんらしき人が吐き
捨てるように言っている。
キレイに身づくろいをした、若いOL風の女性だ。
男の子は硬い表情のまま、ヨロヨロと歩いてつまずいてしまった。
女性は、男の子を見下ろしながら、さらにこう言ったのだ。
みっともねぇ
思わず振り返った私は、「ちょっと、子どもに何てことを言っているの!
と言ったが、その女性は私の顔をチラっと見て「ウルセぇ」とつぶやいて早足に行って
しまった。

赤ちゃんは、お腹の中にいるときから、お母さんの声に耳を澄ましている。
4ヶ月半から5ヵ月くらいで、胎児の耳の機能は出来ているのだ。
そしてどんな音よりも、誰の声よりも、お母さんの声を熱心に聴こうとする。
お母さんの声が、自分の命に直結していることに気づいているからだ。
お母さんが嬉しそうにおしゃべりしていると、赤ちゃんも活発に動き、悲しんでいる
と動きが悪くさえなる。
そうまでひとつになっていた小さな命なのに…

私たちのコミュニケーションは、ひとりの例外もなく、お母さんから始まっている。
毒のあるお母さんの声や言葉は、子どもの聴覚や脳に、多大なダメージを与えている
のだ。
子どもの未来も、お母さん自身の未来も、周囲にいる大切な人たちの未来も、全て奪う
ことにつながりかねない。

幼い生命に与える原初の音を、狂わせてしまってはいけない。
思うようにならない子育て、ストレスの多い毎日、ついイライラしてしまい、声を荒げる
ことは誰にでもある。
でも、行き過ぎてはいけない。

聴こえてくる声や言葉のトーンや響き(振動)が、良質であればあるほど、私たちの幸福
を感知する力も高まるのだから。

もちろん、愛情にあふれた声や温かい言葉を、子どもに伝えているお母さんたちの方が、
大多数なのもわかっている。
でも不幸にして、それを伝えることも出来ず、親からも与えられていなかったとしても、
変えることはできる。
必ず、変えられる。

私も「マミィズボイススタイル」の名に恥じないように、次の世代に、精一杯の
温かい音や言葉を残せたらと、切に願っている。
豊かな声、歓びにあふれた美しい響きは、私たちの未来を育てるのだから。

(2009年8月15日発行のメルマガより・濱田真実)

ボイスバランスメイキングのマミィズボイススタイル

 

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