どんな声でも「とおる声」になれますか?
自分の声は、むしろ、後ろに落ちていくように感じることがあります。
(50歳・あをによしこさん・女性)
空間の認知力が、とおりの良い声の秘密。
でも、空間認知力って何?
「とおる声」。
目標とする相手の元へ、まっすぐに届く声ということですね。
どんな声でも、なれる・・・?
そうですね。
私は、声帯など発声に関わる部位に機能的な問題がない限り、どんな声でも「とおる声」になれると思っています。
ただし、その人の持っている身体の癖や、心理状態、受けているボイストレーニングの質も関わってくるので、一概に「練習すれば、大丈夫!」とは言い切れません。
それぞれの、モチベーションと練習次第というところでしょうか。
さて、声が後ろに落ちるという感覚。
実際にお声を聴かせていただいていないので、明確な回答にはならないと思いますが、要因のひとつをお話しますね。
発声するときに、ノドの奥の方を意識していらっしゃるのかもしれません。
言葉を話すときに、舌の先は下の歯の裏側に軽くつけ、舌の先を意識しながら発声すると、声が前に出やすくなります。
意識しているポジションを、奥から前に移動させるというわけです。
実際に発声して、試してみて下さいね。かなり違うはずですよ。
それから、心理面からも要因を探ってみましょう。
「私の話なんて誰も聞いてくれない」「私の声は誰も必要としていない」などと思っていると、つい息を呑みこんだり、息を引き気味で話すようになります。
後ろ向きな気持ちが、声に映し出されてしまうのです。
もったいないですね。
もしも思い当たることがあるのだとしたら、そんなマイナスな気持ちは、さっさと捨てちゃいましょう。
では、今度はボディです。
鎖骨を開きます。
肩が前肩になって、胸が閉じた状態にならないように、鎖骨をすっと開いて、胸も背中も広く感じられるようにすると、声の出方は、随分楽になります。
さぁ、ここまで整ったら、充分に息を吐きながら発声してみてください。
そして、あなたと、あなたが声を届けたい相手までの距離を意識します。
そして、部屋の広さ、奥行、天井までの高さ、屋外なら、あなたと相手との距離なども意識してみてくださいね。
空間、距離感の把握をするんです。
これを空間認知力と言います。
相手との距離がつかみにくければ、静かに息を吐いて、自分の息が相手の元に届くまでの「息の流れ」を見つめてください。
息は、見えませんけどね。
見えるつもりで。
距離や空間が大体把握できたら、後は息に乗せて声を飛ばす。
力んではいけませんよ~!
あなたの声を、息に運んでもらうんです。
【1】相手との距離、今いる空間を充分に認知する。
【2】息の流れを、見届ける。
【3】息を吐きながら、相手の元に音声を届ける
以上三つを意識して、チャレンジしてみてください。
あとは、思いきり声を出すぞ~!という勇気。
一度飛び越えたら、きっと、驚くほどとおりの良い声が出せることに気づかれると思います。
面白がって、ご自分の声と遊んでみて下さいね。
成功をお祈りしています!!
「とおる声になりたい」けど、もって生まれた声の質の問題なら 無理だとあきらめていました。 張り上げては駄目だったんですねぇ。 思い当たることも多々あって、できることから始めてみようと思います。 あをによしこさん、ご感想ありがとうございます。 そう!できることからコツコツと楽しんで チャレンジしてみてくださいね。 声を出すことは、気持ち良いですよ~!(浜田真実) |